ユミル・グランジェ
「あなたはどうしてそう頑なに力を拒みますの?」
小さな村に住む領主の娘。
年端もいっていない上に口も若干悪いが、村人からはそれなりに人望がある模様。
冷気を操る能力を持っている。
氷で刃物を生成したり、壁を作って防護したりできる。
本人や村の人々はこの力を「神の力」と呼んでおり、村人もその力を崇めている節がある。
そのため、異能を忌み嫌うリコリスとは価値観の違いから揉めやすい。
初対面時も衝突したが、それがきっかけでリコリスの各地を回る旅に同行することになる。
母方の血縁者とは仲が悪い。というか一方的に嫌っている。
異能自身は遺伝で発現することが多く、ユミルの異能も母方の血縁によって発現されたものとされている。
能力を授かったこと自体にありがたみは感じる一方、それら露骨に利用しようとする母方の親戚の態度が気に入っていない。
(父方との婚姻も、能力の権威を借りた政略的なものによるところが強い)
兄はいるけど行方不明だとか。
旅を経て成長した彼女は父親の立場を継ぎ、為政者として村に尽くしている。
その傍ら、異能を持つ人間が周囲から正しい理解を得られるようにするための後援活動をボランティアとして行っている。
まだ個人数名が慈善活動をしているに過ぎないが、いずれ彼女の活動の成果が花開く時が来る……かもしれない。
友人のよしみのつもりなのか、ある使用人がやたら縁談を勧めてくるのが目下の悩み。